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丸山龍也さん(元サッカー選手・株式会社マウントゼロ代表)直撃インタビュー

2021.03.30

スリランカとリトアニアでプロサッカー選手としてプレー後引退し、サッカー漫画の出版社「株式会社マウントゼロ」を立ち上げた丸山龍也さん。

Jリーグに入れなかった悔しさをばねに、プロサッカー選手になるため海外を渡り歩き、夢を叶え、納得いくまで戦ったうえでの軽やかな転身。その数奇な経験はテレビ朝日「激レアさんを連れてきた」でも取り上げられ、大きな話題を呼びました。

そんな丸山さんの素顔を、「freestyle-magazine」が独占取材しました。

職業:出版社代表 株式会社マウントゼロ代表

氏名:丸山龍也

株式会社マウントゼロHP

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「続けていく上でも、やめるという場合でも、『大きいチャレンジをする』ことが必要な時ってあるんじゃないのかな」

Q:まずは、どういうきっかけでスリランカとリトアニアでプロになられたんでしょうか。


もともと日本では、そんなにトップの選手というわけではなかったので、中3のときにブラジルに行ったのをきっかけに海外を目指すようになったんです。

数打った中で当たったのがスリランカとリトアニアでした。

Q:スリランカやリトアニアというと英語すら通じないと思うのですが…言語の壁ってどうしていたのでしょうか。


そうですね、言葉が通じることがほとんどなく、基本的に苦労していました。
 
自分も向こうも英語すらままならないので、なんとなく英語を交えながら、わからないところは雰囲気で察するようなことをやっていました。

Q:海外で驚いたことは?


もうたくさんあるんですけど。

実はスリランカにも行ったことがあるんですが、そこでは、お葬式でも日本ほど深く悲しむことはなくて「そういうこともあるよね」くらいの雰囲気で、死生観がずいぶん違うんだなと思いました。

逆にリトアニアは、ロシアから独立したという歴史もあり、今でも社会主義の厳格な雰囲気です。年上の方はなかなか心の内を明かしてくれない。お酒を飲んで初めて、心が触れ合うようなコミュニケーションができるんです。国によって価値観ってさまざまだなと思いました。

Q:そんなサッカーをやめると決めたのはどんなきっかけで、どのようにやめたのでしょうか。


プロとしてやっていけるかというとボーダーのところにそもそもいて、少ない可能性を信じて、少しでも上のレベルに行きたいと、長年ずっと頑張っていました。下手なりに自分の中でステップアップはしていて、このままがんばればサッカーで生活していけるなというのはあったんですけど。

けれどそのセルフイメージがスペインでプレーした時に覆った。スペインのレベルがすごく高くて、自分が「今までリトアニアでお金をもらってやっていた」と言うのが恥ずかしいくらいの差を感じたんです。

そのとき僕は23~24歳で、サッカーやっている中ではすでにおじさんの部類でした。周りの選手の年齢とか実力を見て難しいなっていうのを感じて。

子供のころに思っていたようなJリーグの選手になるとか、スターになるってとこまではどうやっても難しいというのも前々からわかっていました。

スリランカやリトアニアにいればプロとしてずっとやれたかもしれないんですが、「ここまで来れた」ということに納得したというのもあって、すぱっとやめました。

サッカーだけじゃなくスポーツ全般、さらには芸術などにも言えることですが、それしか見えなくなり、ほかに適応できる仕事もなくて、人生が荒れていく人も多いと思います。それで苦しんでいる人ってどうしたらいいと思いますか。


多いですよね。続けている人は「自分にはできる」って思っている部分があるのではないでしょうか。自分自身もやめるまではそうでした。スペインで「めっちゃ負ける」という経験をしていなかったら、まだサッカーをやっていたかもしれない。「いつか俺も…」って思いながらだんだん年を取っていって、続いていくような。

別にそれが駄目だというわけでもないとは思います。けど続けていく上でも、やめるという場合でも、「大きいチャレンジをする」ことが必要な時ってあるんじゃないのかなと。

例えば僕がスペインに行って「やれる」って思ってやっていくんだったら、それはすごい成長したってことだし、「やれない」って思うのも自分の身の丈を知るっていう意味では必要なことだし。

そういうつもりでスペインに行ったわけじゃなくて、やる気満々で行ったんですけど、やってみればそういうことだったんですよね。

長く続けるよりは大きなチャレンジをして、自分を試したほうがいい?


どっちがいいかはわからないですけれど。

リトアニアに行ってずっとプレーするなら、それはそれで全然違う人生ですごくいいとは思うんです。でも、納得できるように頑張る必要はあるかなって。

どっかで頑張らないと、頑張ってないのに「頑張ってます」って顔しているときが一番危ないなって思います。「やっているふり」になっちゃうと、時間だけが経っていくので、やるときはちゃんとやったほうがいいのかなとは思います。

「出版は、サッカー並みに心を込めてできるものかもしれないと思った」

サッカーをやめる際に次の仕事のプランはすでにきまっていたのでしょうか。


いいえ、全然。サッカーをやめてすぐは、やりたい仕事もなく、人に言われるがままに仕事を手伝ったりサッカーのコーチをやったりと1年ぐらいふらふらしてました。

サッカーのように熱中できるものって、もう見つからないんだろうな、と思いながら。むしろそういうものが今まであったことがありがたいことだったなと思い、このあとの人生はそんなに熱中できるものがなくても、ないならないままでやっていこうというくらいの気持ちでした。

そんなとき、サッカー仲間と「出版社を立ち上げてまんがを…」といったことを雑談程度に話していたんです。話しながらふと、もしかしたらそういうのってサッカー並みに心を込めてできるものかもしれないって思い始めたんです。

サッカーから出版とはずいぶん大胆なキャリアチェンジですね。


サッカー選手や選手を目指していた人のその後って、大きく分けて二種類分かれると思うんです。

一つはサッカーに取り憑かれたようになってサッカーの仕事をしていくようなパターン。もう一つは逆にサッカーがもともと好きだったので意識的に遠ざけて全然違う世界にいって、サッカーのことを考えないようにするパターン。

でも自分はもっと中立的なフラットな立場でできないかなと考えていました。人間関係もサッカー関係が多いので、それを活かさないともったいない、かといってサッカーだけにとどまっていなくてもいいというのも思っていて。

そういう気持ちで1年くらいいたときに、「サッカー漫画をつくりたい」と思いついたんです。「サッカーの世界」ではあるけど「スポーツの世界」ではないので、そのときの自分の心の立ち位置にフィットするようなアイデアだったと思います。

突然「会社を立ち上げよう」と思ったとしても実際立ち上げるのは大変ですよね?


うーん、会社を立ち上げよう、というよりは、スポーツの漫画を作るということにおもしろみを感じて、一生懸命やっているうちに、法人化せざるを得なかったという感じですね。

サッカーと違うところに行くとカルチャーショックもありましたか?


もともといろんな人と話すのが好きなタイプではあるので、『カルチャーショックが!!』ってのはなかったんですけど。

自分の経歴や経験に対する不安のようなものはありました。同級生はとっくに就職して社会で活躍している。

『サッカーやっていきなり社長で』っていうのは、見た目は面白そうかもしれないけど、社会人としての経験をきちんと踏んでいる人と比べて中身がないんじゃないかと。

海外を回る経験をなさって、カルチャーショックには強いですか。


そうですね、『驚く』ってことはもうないんですけど(笑)。

漫画の仕事が楽しいと感じられるようになったのは、いつ頃からですか。


うちの漫画はJリーグのスタジアムで売るっていうのを企画として打ち出して、それを認めてもらって、という経緯で作ったんです。

自分たちが作った漫画がスタジアムに並んでいるのを見たとき、買ってくれているのを見たときは達成感がありました。サッカー番組でも自分の漫画を視聴者プレゼントで使えてもらえて、視聴者から感想が届いたりもしました。

サッカー漬けの人生で、「社会人としてやっていけるのか」というのはコンプレックスでもありましたから、やれたことそのものが嬉しかったです。

「サッカーしかやってないからほかの仕事ができないんじゃないか」っていう不安があったのですか。


みんなそうだと思います。サッカーだけやってた割にサッカーでも一流じゃないっていう状態という、僕のような選手って本当に山ほどいて日々苦労している。その中ではみんな抱えている不安なんじゃないかと思います。

やったことがなかったから、「社会人としての仕事もできる」という気持ちと「どうなのかな」という気持ちで揺れ動いていた。それが、実際にやってみて結果を出せたことで「やろうと思えばできるんだ」と、自信がついたんですよね。

Jリーグを舞台にそのマスコットの活躍を描いた、Jリーグオフィシャルマンガ『キング・オブ・エンブレム』

「サッカーも出版も、毎日やることは意外と地味。」

サッカーも出版も、毎日やることは意外と地味。小さい仕事の積み重ねが大きい目標の実現につながっているという点が、似ているんです

同じようにスリランカでプレーできるレベルの人がいたとしても、実際にスリランカに行って、プロとしてプレーできる状態を作るのは難しいし、同じように出版まではできたとしても、いきなりスタジアムで売るっていう販路を作るのはものすごく難しいですよね。
実力があって、「やりたい」っていう人は山ほどいても実際行動に移す人は少数派だし、やってみて、そこまでたどり着く人はもっと一握りかなと思うのですが。


スリランカを目指していたわけではなくて(笑)。サッカーも漫画も『もうちょっと壮大なことがしたい』っていう気持ちが大前提にあって、いつのまにかそこにたどり着くという感じなんです。

サッカーのほうは、「日本代表になりたい」、「Jリーガーになりたい」という気持ちがあって、そこにストレートにいけないから、どうしたらいいかって考えて、考えて、スリランカにたどり着いた。

日本でJリーグに入った選手が、Jリーグを首になってタイやインドでプレーして、またJリーグに戻るっていう道筋はよくあるんです。僕はJリーグにストレートにいけないから、だったらタイやインドでプレーして実力を磨くというのもありかなと、初めは思いました。

ところが、タイに行ってみるとやっぱり日本よりはレベルが高くないといってもやっぱり高い。それでプレーできそうな国に目星をつけて、スリランカになっちゃったんです。

そうやって、サッカーをやってきたことは、今の仕事につながっていますか。


そうですね、僕に興味を持ってくれる人はやっぱりスポーツをやっている人が多いんです。

それで、初めにやった仕事がJリーグのオフィシャルグッズとしての漫画を作ることでした。Jリーグのオフィシャルマークを使っていいという公式ライセンスを取って。『こんなものを作ってますよ』っていう看板になるものができたのはよかった。

そこから派生して色々な仕事につながっているんですが、やっぱり自然とスポーツの人が集まってくれます。自分はプレーしていないんですけれど、日々スポーツの話が出て、その中にいるなって実感は得られています。

サッカーと漫画で共通してるところってありますか?全然違う世界なんだけど、やってみると同じだなって思うことは?


共通しているのは、「サッカーの試合に出る」「出版をする」という大きな目標があって、でも毎日やることって意外と地味だなっていうことですね。

選手の時やっていたのって、朝早く起きて、練習して…その練習もシュートの練習とか楽しいところじゃなくて、すごい地味な体幹トレーニングとか、何メートル走るとか、意味あるのかないのかわからない、そういうことの繰り返しでした。

漫画だったら、誤字脱字を見るとか、ふりがな間違ってないか見るとか。何かを成し遂げるって、そういう小さい仕事の積み重ねなんですよね。

スポーツをやっていたからこそ、楽しくもない仕事が意外と自分の目標につながっているんだって、自分の中で納得感を持ってコツコツやれるという部分はありますね。

全然違う職業二つの経験を踏まえて、職業で迷っている人にはどのように声をかけたいですか?
今(※2021/1/08)「科学的な適職」という本がベストセラーになっています。それだけ多くの人が適職に悩んでいるってことだなって思うのですが。


中学の先輩が言っていた格言があるんです。『時間が無限にあって、お金が無限にあったら何をしたい?』って。

時間もお金も無限にあるときにやりたいことって、必要に迫られているわけではないので、「自分に嘘をついていないやりたいこと」なのかなと思います。

先輩はふざけた感じで言ったんですが、ものすごく腑に落ちて。

お金の計算とかをしながら作っていくやりたいことって自分が本当にやりたいことと、ほぼ一緒なんだけどちょっとずれちゃう気がするんです。そういうのって自分自身が一番「それじゃねーよ」って感じるところだから。

そこで「(やりたいことは)なんだろうなんだろう」ってループしちゃいますよね。本当になんでもできる状態を想像して、それでもやりたいことのほうに進んでいくっていうのがいいのかなと思います。

「会社を起こして、何かを達成していくっていうのは、宝くじで何億円か当たってたまたまお金を手に入れるっていうよりも、何倍も理想の自分に近づく」

今までの話を総合すると、丸山さんの中では「やりたいこと」と「やりたい仕事」は同じ意味なんでしょうか。


同じ意味かというとちょっと違いますね。

僕は…例えばなんですが、50歳になったときに、ふと『少年野球チームを作りたい』って思ったとするじゃないですか。大人になると、やれるか以前に、やるかどうかも結構難しくなってくると思うんですけど。でも僕はそのときにやれる自分でいたい。となると、お金や時間の余裕も必要ですが、それだけではできない。一緒にやってくれる人も必要だし、そのために何が必要かを教えてくれる人も必要だし。

有名人なら…例えば本田圭佑が「これをやりたい」って言ったら、みんな集まってくれますよね。やれるかやれないか以前に、やりたいと思ってからチャレンジし始められるまでが非常に早い。彼のように応援してくれる人が周りにいる、そういう50歳になることを目指しているんです。

そのゴールから逆算して、今何をするかを考えています。

「人が集まる自分」になるために会社を興したということですか?


そういう一面もあります。

子供のころはサッカー選手がみんなの前でゴールを決めて、ワーって歓声が上がっているのを憧れの目で見ていました。そういうことができれば、その後の人生何でもできるような気がしていたんです。

僕は、サッカーは駄目だったんで、じゃあ何かっていうと会社を興して、自分の周りにいろんな人がいるっていう状況を作りたいなと。

会社を起こして、何かを達成していくっていうのは、宝くじで何億円か当たってたまたまお金を手に入れるっていうよりも、何倍もそういう自分に近づいていけるような気がするんです。

不安になることはないんですか。


いっぱいありますね。お金のこととか。売れると思っていたものが売れなかったり、できると思っていたものができなかったり。

失敗しても、次々と何かやっていかなきゃけないんですけれど…。

僕は結構一発一発落ち込んでしまったりするほうで。サッカーでも、負けても「はい次」ってすぐに切り替えられるタイプもいるんですけど、僕は帰りのバスでも無口になってブスっとしてるタイプだったんで(笑)。大変だなと思うことは無数にあります。

なるほど。今は出版だけじゃなく、いろいろなことをやってらっしゃると思うのですが、一番力を入れていることは?


やはりスポーツのことは、ずっとやっていきたいですね。今はスポーツ選手のサポートに力を入れています。サッカー選手のSNS運用を手伝って、広告収入を得たり個人スポンサーをつけるのを手伝ったり。

全然スポーツの世界がわからないのですが、スポンサーは選手個人が自分で取ってこなければいけないものなんですか。


サッカーはまだ恵まれているんですが、マイナースポーツになると…。目立っている選手は独り勝ちだけど、他はみんな苦しい。大学のコーチを続けながら選手をやったりとか、地元の有名企業がお金を出して競技生活の面倒を見てあげるとかという状況です。

しかし選手のほうもお金を出してもらったところで、ユニフォームに会社のロゴを印刷するとか、その程度のことしかできない。お金出すほうに対しても、もっとわかりやすいメリットを提示できないかと思って。

それで、動画を作ったりSNSを充実させたりとかそういうところを企画し、スポンサーとスポーツ選手の仲介をするようになりました。マウント・ゼロがそこをやることによって、本人は競技に専念できるようにする。そういう仕事が増えてきたのはとてもうれしいですね。

一言で表現すると「スポーツマネジメント」ですかね。

丸山さん自身は、サッカーはもう全然やらないんですか。


サッカーは好きなんですけど、今はグラウンドに行くのが億劫になりがちですね。場所を手配して、靴もタオルも持って行かなきゃいけないし。もともとサッカーをやっていた人って週に1回とか2回とか続けていく方が多いんですが、僕は今はほとんど運動していないですね。去年は10回もプレーしていないと思います。

お忙しく、充実されているんですね。それでは最後に、今後の目標を教えてください。


さっき言った「やりたいときにやれる自分でいる」っていうのは意外と自分でもハードル高いこと言ってるなと思います。野球チームを作りたいなんて言って作れる大人なんて、実際は周りを見渡してどこにもいませんよね。「選ばれたごく一部の人の一人になりたい」っていってるのと同じことだなと。

それを実現させるためには、会社の認知度を上げなきゃいけない。会社の経営が健全に回っている必要もあるし、回っているというボリュームも大きくなければいけない。

ロゴを見た人が「あ、知っているよ」と言ってくれるくらいの会社にしたいなと、今は思っています。

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