島田佳奈さん(作家)に聞く!フリーランスの働き方と恋愛
2021.03.30

作家/女豹ライターとして、『人のオトコを奪る方法』『「アブナイ恋」を「運命の恋」に変える!』『女豹本!』『アラフォー独女の生きる道』など多数の著書を世に送り出している島田佳奈さん。実は、作家になる前広告代理店に勤務するなど、多彩な「働き方」の経験者でもあります。そんな島田さんに、フリーランスの恋愛や婚活、お仕事についてなど、貴重な話をうかがいました!
メルマガが人気になったのをきっかけに、作家デビュー
島田さんは、広告代理店にお勤め後作家になられたということですが、フリーランスとサラリーマン両方経験されているんですね。
はい。でも、もともとは作家ではなくSEとして独立したんです。
元々お勤めの企業でSEをやっていて独立されたということでしょうか。
いいえ、それもまた別で。広告代理店にいたときSEになりたいと思って勉強を始めたんです。サラリーマンではない仕事がしたい、「手に職」で稼いでいけば一生困らないんじゃないかって思ったのが最初で、29歳の時IT業界に入りました。修行のために4年間社員として勤務し、それからフリーのSEとして独立しました。
独立後、エンジニアから作家になられたというのは、方向性がまた違いますね。どのような経緯だったんでしょうか?
もともと書くのがすごく好きで、文章はよく書いていたんですけど、それもお金になったらいいなとは前から思ってはいました。そんなとき、ちょうど「メールマガジン」が流行りだしたんです。まぐまぐさんがメールマガジンの配信プラットフォームを作って誰でもメールマガジンを配信できるようになり、ちょっとしたブームが起こりました。それで私もエンジニアをやりながら週末にメールマガジンを配信し始めて、そしたら思いのほか読者さんがたくさんついちゃって。それをきっかけに「メールマガジンで書いていたネタを本にする」展開となり、2007年に「人のオトコを奪る方法」という本を出版したんです。
自分の書いたものが人気になって本になるって、まるで夢のような話ですが、本当にそんなことあるんですね。
どういうネタが受けるかって、わからないですよね。それでとにかく出してみたらウケた、という感じです。
2007年出版、デビュー作の「人の男を奪る方法」。人気を獲得したメールマガジンの内容が本になった。
フリーランスに必要なスキルを磨くことで恋愛力も磨かれる
ではせっかく恋愛の専門家にお話を伺える機会なので、フリーランスの恋愛について、うかがってみたいのですが、フリーランスであることが恋愛上有利になることはありますか。
時間の自由がきくこと、ですね。私は今結婚していますけど、家で仕事ができるから、専業主婦と変わらないくらい、家事と仕事を両立できるんです。通勤がないのはやはりメリットだと思います。
逆にデメリットというと思い浮かぶのは?
男の人は、収入が安定しないと女の人からはマイナスポイントですよね。収入が不安定な部分をどうやってほかの魅力でカバーするのかって悩んでいる人もよく見かけます。「収入は安定しないけど、貯金はあるから大丈夫だよ」って言える人ならいいんですけど、えてしてフリーランスは貯金もない人が多いですから(笑)。
けれども、裏を返せばそれは生命力の証拠でもあります。たくましいというか、「いざとなれば何をやっても食っていける」っていう発想を持っている。困ったときはAの仕事がだめならBの仕事をやる。そういう割り切りもできたり融通も効くっていうのは、フリーランスの強みじゃないかなって思うんです。男性もその強みの方をアピールしていけばいいんじゃないでしょうか。まあ、本来経済的な部分はどっちが支えてもいいんですけどね。
ではそのようなデメリットを補い、メリットを生かすためにはどうしたらよいでしょうか。
先ほどのお金の話にも通じるのですが、フリーランスのように自由な働き方ができる人ってどっちかっていうと柔軟な考え方ができる人なんですよね。そういう強みを生かして、恋愛でも同じように、戦略を立ててやったらうまくいくと思います。仕事と恋愛ってそんなに別のものではなく、必要となるスキルの部分で似通っているところがあります。フリーランスとして必要なスキルを身に着けていくと、恋愛スキルも上がっていく。だから長くフリーランスをやれている人は恋愛上手な方も多いんです。
仕事と恋愛で似ているスキルとは、どんなことを指すんでしょうか?
どちらも人の気持ちを扱っていて、そういうのってフリーランスの方の得意分野ですよね。いろんな人に合わせるのが上手じゃないとフリーランスとしてはやっていけません。そういうフリーランスでやっていくためのスキルって同じように恋愛にも活かせるんですよ。
いわゆる遊び人の…いろんな女の子を相手しちゃう男の人って、たいてい仕事できる人なんですよ。Aの取引先、Bの取引先、Cの取引先、全部手中に収めてしまう(笑)。仕事も人間相手のことですからね。
アラフィフ婚活の経験を元に、「大人の恋愛」をテーマにした記事に取り組む
最近テレワークが増えています。フリーランスとなるとなおさら、出会いがなかなかないと思うのですが、どうしたらいいでしょうか。
実はコロナ以降、マッチングアプリや婚活サイトの会員が増えているんです。私も今の夫とは婚活で出会ったんですよ。そういう出会いを選択肢に入れてみたらどうでしょうか。
※島田さんは婚活でなんと100名以上の人とメッセージのやり取りをされたのだとか。約1年間の婚活を経て交際スタートした男性と、その後めでたくゴールイン。勝因はライバルの分析と、自分を隠さず伝えるプロフィールだったと言います。詳しくはnoteの「アラフィフ婚活」という無理ゲー(連載中)をご一読あれ。
Q:今婚活する人が増えているというのは聞いたことがあります。一体なにが起こっているんでしょうか。
やっぱり一人暮らしでテレワークになると、寂しさが増すんですよね。ちょっと前まではマッチングサイトって忙しい人のためのものでした。忙しくて出会いの場に出向く時間がないから、夜中に検索して探す。そのため業種にも偏りがあって、エンジニアの登録者がすごく多かったイメージです(笑)。それが去年あたりからコロナによって逆に登録者が増えて、登録者の業種も様々に。リアルに会わないでスタートしちゃう、というのが一般的になってきたみたいです。婚活サイトのようにガチなものじゃなくても、SNSで仲良くなるとか、そういうことも一般的になってくるのではないでしょうか。
島田さんの恋愛観は戦略を立てて攻めていくっていう感じですよね。落とす相手を選ぶ時点から戦略を立てるんですか。
さすがにそこまで戦略的ではないですよ(笑)。好きになってからの話です。好きになったら、相手のタイプを見極めて、この人だったらこう攻めたらいいんじゃないかなっていうのを考えますね。
楽しそうですよね、戦略を考えることが。
楽しいですよ。醍醐味じゃないですか。恋愛で作戦を考えていくのって仕事とも共通している部分があると思うんですよ。戦略的に動ける人は仕事でも強いです。
でも恋愛は仕事と違って、ふられたときのダメージが大きい。そのへんも楽しめちゃうんでしょうか。
失恋して悲しむのも生きてる証拠じゃないですか。仕事を失うのに比べたら辛くはないでしょう(笑)?失恋しても仕事が支えてくれたりします。
フリーランスの方って忙しいときは決まった休みが取れないほど忙しいイメージです。恋愛と仕事の両立で悩むことはないですか。
そうですね。「私と仕事とどっちが大事なの」ってなっちゃう人はフリーランスと付き合うのは難しいのかもしれません。サラリーマンかフリーランスかというより、そもそも仕事に対する理解があるかということなんですけれども。フリーランスの人は強いプロ意識で仕事に向かっているわけですから、恋愛に振り回されちゃうようじゃだめですよね。
ただ、それを言い訳に相手に我慢させてはいけません。今だったらZoomでも会話できるじゃないですか。昔に比べたらコミュニケーションをとる手段はたくさんあるはずなんです。デートは月に1回しかできなかったとしても、そういうツールを使ってほんのちょっとでもコミュニケーションをとる、そういうのができればいいわけです。
仕事も恋愛も婚活も戦略的に。「島田佳奈のハンター的恋愛術④ ~女子「婚活テクニック」編」
60になったら60代の恋愛について書くかもしれない
島田さんの記事には「男の人の心理」がよく出てきます。島田さんは女性なのに、男の人の心理ってどうやって記事にしているんでしょうか。
私の場合は、男友達やもしくはホステス時代のお客さんの話を参考にしています。お酒の席で、飲んだからこそ出る本音をネタとして仕入れています。恋愛関係がからまない相手のほうが本音を聞けるんですよ。
そうやってずっと長い間恋愛のテーマに取り組んでいると、時代の流れによって変わってきたことってあるんじゃないでしょうか。
実は時代で変わるっていうのはそんなに多くなくて、時代より世代で変わっているなという実感はありますね。大体10年くくりくらいで、時代の傾向が現れます。
たとえば昔の20代と今の20代は全然違うんですよ。けど、今の20代は40代になっても、たぶん同じ形の恋愛をするんです。
私自身はバブル世代なので、20代のころからずっとバブルの恋愛の形式をひきずっているんです。男の人は女の人にごちそうして当たり前、同世代の女性はみんな今でもそう思っていて、どうやっても意識が変わらない。けど下のアラフォー世代くらいになると「奢るvsワリカン問題」はそこまで厳しくない雰囲気です。けど「結婚したら男性に養ってほしい」っていう女性の傾向はまだあって。それがもっと下の世代になるとこだわりがなくなって、すべて「割り勘でOK」になっていくんですよね。
一人ひとりの恋愛観は、20代のころから変化しないのでしょうか?
そうなんです。きっと20代ごろに自分の恋愛のベースができるんですよね。
同じように結婚観も世代によって違います。今の30~40代くらいまでは「自分で稼いだら遊びたい」っていう気持ちがあって、どんどん婚期が遅れているんです。それに対して今の20代の人たちって、20代のうちに結婚しちゃう。最初から不景気で、最初から一人で生活していくのがきついお給料。一人暮らしより二人暮らしのほうが経済的に楽だし、遊ぶお金もないから、遊ばないで、手堅く結婚。今の20代は経済的な事情もあって、結婚が早くなっている傾向です。でもそんな時代だから誰もがそうなるのではなくて、今の50代の人はやっぱり自分が20代のときの傾向をひきずっているんですよね。
今はアラフォー世代以上の「婚活」に関する記事が多いですね。
はい。それが今力を入れて取り組んでいるテーマでもあります。今婚活のネタっていうのは時代的に広く受けているんですけれど、でも私くらいの年代の世代の婚活の情報ってすごく少ない。アラフォーやアラフィフでの婚活って、一周回って再婚活なことが多いんですよね。ところが、一回離婚経験があってそのうえで婚活っていう大人向けの情報がすごく少ない。自分自身が婚活で結婚したというのもあり、だったら自ら体験したことも含めて、そのへんを書いていこうかなと。
なるほど。しかし年を重ねるとなかなか積極的になれない人も増えるのでは。
無理に恋愛する必要はないとは思います。ただ恋愛ができるかできないかというと、まだまだできるお年頃です。大人になると、昔ほど簡単に人を好きになることはできなくはなってくるでしょうけれど、恋愛楽しむことができたら、それは生きるエネルギーになります。それに自分が恋愛できないとしても、人の記事を読むだけでもすごく楽しいはず…それは他人事だから余計楽しいのかもしれないですが(笑)。読み物として面白いっていうのも含めて、私はこれからも取り組んでいきたいですね。
若い人向けの恋愛情報はあふれている。けど人生100年って考えると40代50代ではまだまだ恋愛も現役っていう人が、今後どんどん増えてくるわけですし。その世代の人向けのものを書いていけたらいいなって思っていて。
これからもずっと恋愛がテーマでしょうか?
多分そうですね。60になったら60代の恋愛について書くかもしれない。昔は50代にもなれば「恋愛は卒業」って言われる時代でした。けれどそれを変えていっているのはたぶんバブル世代ですね。いつまでも現役でいたがる人が多いから(笑)。
人生100年時代、生涯現役で働く、だけでなく恋愛・結婚面でも充実できればすてきですね。では、サイトを見ているフリーランスの方に最後にメッセージを!
フリーランスとしてなんでもできる、自由にできるっていう人生を選んだわけですよね。やりたいことだけっていうわけにはいかないでしょうけど、せっかくその自由を選んだのだから、そのときどきでやりたいことを追及したり、ときにはお金のためと割り切って働いたりするのも含め、自分らしく生きていけばいいと思います。
その中で仕事と同じように恋愛も楽しんで、フリーランスならではの型にはまらない生き方を堪能で来きたらいいんじゃないかな、と思っています!
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