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フリーランスにおすすめ! 『マンガでわかる 必ず伝わる! ロジカル会話術』 書評

2021.03.23

上司や顧客に「話がわからない」と言われてしまったり、頭ごなしに否定されて言い返せなかったり、会議をしたのに結論が出ず無駄な時間を過ごしてしまったり。ビジネス上の「伝え方」に悩む人は多いはず。そんな人に向けて書かれた、ロジカルな伝え方の入門書『マンガでわかる 必ず伝わる!ロジカル会話術』の書評とレビューをご紹介します。

「伝えること」に重点を置いて、漫画でわかりやすく紹介

ロジカルシンキングの本は数多く出ていますが、本書の特徴はまず、「ロジカルに考える」だけではなく「ロジカルに伝える」ことに重点を置いている点でしょう。いくらロジカルに考えられても相手に伝わらなければロジカルシンキングを使いこなすことはできません。アウトプットの方法に注力して説明し、実際にロジカルシンキングをビジネスに役立てようというのがこの本のコンセプトです。

文字で説明しようとすると堅苦しくなりそうな内容ですが、わかりやすく漫画で解説されています。それも「イラストが多い」というレベルではなく、最初から最後まできちんとコマ割りがされており、ストーリーが展開していきます。読者は物語を読み、主人公とともにハラハラドキドキを味わいながら、ロジカルに伝える方法を身に着けることができるという構成になっています。

始めに漫画の中でロジカル会話のケーススタディを学び、章の終わりに文章で要点を解説。
物語20ページに対しまとめの文章が7ページ程度。漫画部分のほうが多いので非常に読みやすく、一時間程度で一章分を読むことができます。

作画を手掛けた深山雪男氏は、小学館より刊行された漫画「アプサラス(全8巻)」の作者。正真正銘の漫画家が描いているだけあって、ストーリーもわかりやすく、要点が視覚的にパッと目に入ってきます。

物語の舞台はレストラン「Delicious」の本社営業部。主人公の三上さつきは、売り上げ不振店の三葉町店の改善提案を任されます。

しかし、「改善」というのは建前に過ぎず、上層部では三葉町店を閉店し高級路線ブランドの店舗に変更する話が進んでいます。誰も本当に店舗の売り上げが伸びることを期待してはいない状態。店員にもやる気はなく、改善に協力してもらえる空気ではありません。

そんな中さつきはロジカル会話術を活用し、周りを説得してしだいに協力者を集めていきます。

通勤時間や、ちょっとした待ち時間を利用して読み切れるので忙しいビジネスパーソンにも大変おすすめです。

高い評価を付けている人の感想

なぜか、現場や会議で理解を得られない人に

読者層はロジカルシンキングの本を初めて手にする人から、勉強はしたけれどもう一度振り返りたかったという人など多岐にわたっています。

営業の場面で活用できるヒントが多数拾えるよい内容が多いよい本です。相手に対して路線がぶれない話し方をするヒントになります。

引用元「Amazonカスタマーレビュー


「仕事で活用できる」「わかりやすい」という声が多数上がっており、何度も読み返しているという人も多数。

「すんなり読める」とっつきやすさや、「40分くらいで読み終わった」という簡潔さにもやはり高評価が集まっています。

まだビジネスを経験していない学生にもロジカルシンキングの入門書として親しまれており、就活のために読んでいる人もいるようです。

ストーリーに入り込めるので集中して読める

ストーリー仕立ての利点は「わかりやすい」ことだけではありません。主人公に感情移入することで、内容に引き込まれながら読み進むことができるのです。ただ漫然と参考書を眺めているときと違い、読んでいるときの集中力もアップし、記憶も定着しやすくなります。

ストーリー内容が入り込めるのでわかりやすいと思う。 集中して短時間で読めました

引用元「Amazonカスタマーレビュー


『進化しすぎた脳』の著者である池谷 裕二氏の研究によると、興味のあるときとないときでは記憶の効率が10倍も違うとのこと。また、物語を通じてハラハラドキドキすると、感情をつかさどる偏桃体を活動し、記憶力がアップしたかのような効果を得ることができるそうです。(※参考 こうすれば記憶力は高まる!~脳の仕組みから考える学習法(東京大学・池谷教授)2014/6/6 | WAOサイエンスパーク

漫画に感情移入し楽しみながら読むというのは、脳科学の面から見ても合理的な学習方法なのですね。

物語は学習漫画にしては相当凝った作りです。ライバルキャラもいて、一人ひとりの登場人物のキャラクターも明確。単に「ロジカル会話をイラストで紹介すればよい」という姿勢ではなく、しっかりと物語に引き込もうという工夫がなされています。「先が気になって最後まで読んでしまう」おもしろさをしっかりと兼ね備えています。

さいごにさつきが行きついた企画案は予想がつかない内容となっていますし、読者にとっても説得力があったのではないでしょうか。ところどころにギャグも挟み込まれており、ロジカル会話の題材を無理やりつないで作られた物語だということをふと忘れてしまうことも。一本の物語としても十分楽しめます。

低い評価を付けている人の感想

本の立ち位置としてはやはり「入門~初級者向け」。すでにロジカルシンキングの本を何冊か読破している人は、物足りないと感じることもあるようです。

気になったのは、活字やメモのほうが少し大雑把に感じられたことです。とは言え、主にビジネスで必要なロジカルシンキングを抵抗感なくサクサクと読めることは素晴らしいです。

引用元「Amazonカスタマーレビュー


とはいえ、わかりやすさではやはり本書に軍配が上がるとのこと。すでに何冊か読破済みの方は新しい知識を得ようとするよりも、今までの本で理解できていなかった部分を補ったり、本当に理解できているかどうか自己チェックを行うような気持で読むといいかもしれません。

この本をフリーランスにお勧めする理由

「説得する」「説得される」それぞれの場面に備える

フリーランスとしてやっていく中では必ず交渉の力が必要です。営業、プレゼン、さまざまな場でロジカルに考える力が必要でしょう。それも、考えるだけではダメで、それを相手に適切な方法で伝える必要があります。
「ロジカルに考える→相手の心に届くように→伝える」
本書には、この手順がわかりやすく描かれています。

確かに物語なので理想論で展開されている部分はあります。読んだだけですぐに実践に移そうとしても難しいかもしれません。

まずは、「プレゼン」「営業」など前もってコミュニケーションの準備ができる場で、ロジカル会話を試してみてはどうでしょうか。とくに資料作成の段階は見直しながらじっくりと進めることができます。当日資料をときどき確認しながら話をしても問題ありません。事前に話をしっかりと組み立てて挑むだけで、効果は十分感じられるはず。

少しずつ臨機応変な対応もできるようになればよいのではないでしょうか。

レビューの中には「営業マンに説得されてしまう理由がわかった」という声もあります。本書を読んで、相手が戦略的に話していることに気づき、無駄な買い物を防ぐことができたというのです。逆に自分が説得される側になったときに備えておくのもフリーランスにとっては大事かもしれません。高すぎる見積もりを断る、怪しい投資の話を断る、信頼できない取引を断る……。さまざまなシーンで相手の論法を見抜くのに、きっと本書で学んだことが役立つでしょう。

ひどいことを言われたときの感情整理に役立つ

ロジカルに話すことは大切ですが、それができていても、実際のコミュニケーションがうまくいかない方も多いでしょう。

なぜならビジネスの場にはロジックが通用しない相手が思っている以上に多いからです。特に相手がお客さんの場合、合理的な話をして相手を納得させたとしても、結局次回から来てくれなくなることも。論理攻めにされて、言い負かされ、気分が悪くなったことはありませんか。ロジックだけに注力しすぎると、相手に同じ気分を味わわせてしまいます。

本書では、ロジカル会話を用いて相手と話し合うとき「感情的に納得させること」と、「相手の言い分に吞まれないこと」の二点が大事だと解説されています。

前者の「感情的に納得させる」ことは、本書の読者の大半にとって、むしろ得意なことのはずです。この本はもともと論理的に考えることが苦手な人に向けて書かれたもの。そして、「ロジカルが苦手だ」という人は、理論よりもそのときどきで揺れ動くお互いの「感情」に重きを置いて会話しているはずだからです。

問題は後者の「相手の言い分に呑まれないこと」のほうでしょう。

たとえば「新人になにができる!」「所詮は若造の考え」など。理不尽なことや言い返せないようなことを言われたとき、感情をかき乱されて言い返せなくなる人も多いのではないでしょうか。まずは言われた自分自身が落ち着いて受け止めることが大事。そして言われたことは事実ではないことをしっかりと認識し自信を失わないようにすることが大切です。その方法は第五章「詭弁に負けるな!」に記載されているので、ぜひこの章の内容に従って、言われた内容を整理するように心がけてください。

「腹が立って眠れない」「別に間違ったことを言われたわけじゃないはずなのになぜか落ち込んだ」といったことを徐々に減らすことができるでしょう。

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ビジネスの場では論理的な思考は必要不可欠。
この本を参考に、相手の感情に配慮しつつ相手の言い分を整理し、自分の言いたいことをわかりやすく主張できるようトレーニングしていきたいものですね。

マンガでわかる 必ず伝わる! ロジカル会話術

著者:深山 雪男 (著), 船川 淳志 (監修)¥1,210

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