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浅井 裕喜さん(WEBマーケティング会社代表)に聞く!独立までの道のりと、2021年最新SEO事情

2021.09.17

クルーズ、D2Cなど有名ベンチャーで数々のサービスグロースに取り組み、独立を果たした浅井 裕喜さん。現在は自身の経営する株式会社ザッピーリンクの代表取締役でいらっしゃいます。

現在は、SEOを中心に企業のマーケティングやコンサルティング支援を行っているとのこと。

独立までの道のりをどう歩んできたのか、そして、2021年コロナ禍のなか、SEO事情はどのように変わっているのか。最新情報をインタビューしてみました!

浅井 裕喜さんの詳しいプロフィールを見る
株式会社ザッピーリンク公式サイト

起業を視野に入れ、サービスグロースにチャレンジし続けたサラリーマン時代

株式会社GA technologiesでの不動産投資SEOセミナー登壇時の写真

WEB業界にはどのようにして入ったんですか。

IT・WEB業界に興味があったので、コールセンターで働きながらデジタルハリウッドでディレクションやプロデュースのコース、デザインコースを受講しました。

そのデジハリさんの紹介で入ったのがウェブドゥジャパン、のちに上場してクルーズ株式会社となる会社です。

最初はカスタマーサポートをしながら社長直轄の企画会議に出て、徐々にディレクションなど上流工程にも関わるようになっていきました。

フリーランスになる前はどのような仕事をされていたんですか。

はじめにディレクションを担当したのは検索窓のアライアンス事業でした。

今は検索エンジンといえばGoogle一強ですが、当時ガラケーの検索エンジンは、ベンチャー系の検索エンジンも多くありました。ウェブドゥジャパン(現:クルーズ)も絵文字などガラケー特有の文字などの検索にも強みのある「CROOZ!」という検索サイト事業を展開していました。

検索窓をいろんなサイトに導入していくのがアライアンス事業で、僕は導入が決まったお客様のサイトのUIUXに合わせて検索窓をカスタマイズするというディレクションを担当するようになりました。

幾つかの携帯サイトに導入する実績を積んだ後、売り上げの柱であるモバイルコンテンツ事業部に異動して、最終的に、当時有名であったギャル社長や人気モデルさんとコラボしたデコメールサイトの立ち上げを担当させていただき、初めて新規事業開発を経験しました。

そのころから独立を考えていたんですか?

IT企業がプロ野球球団を買収するニュースが飛び交うなど勢いがある業界だったこともあり、独立起業には興味があり憧れはありました。ただ、それよりもウェブドゥジャパンの創業当時の話や、1人目や2人目の社員である上長と一緒に仕事をさせていただく中で、自分も会社を大きくしていく創業期にチャレンジしたいという想いが芽生えていき退社しました。

そんな折、当時モバイル業界での交流会でお会いした人が創業し人気ブログランキングの広告メニューを作り営業を始めるという話を聞きました。当時まだ設立三か月目くらいで売上ゼロの会社でしたが、創業期のチャレンジに興味があったので、ジョインしました。

実際に独立したのには何かきっかけがあったんでしょうか。

特にきっかけがあったという程のことはありません。正直、成り行きですね(笑)。

実はその後、ドコモと電通のジョイントベンチャーである株式会社D2Cに転職したのですが、このころは独立しようとは思っていませんでした。また、法務も財務もシステムもサービス設計もというように、担当範囲が幅広くなって、自分の強みがわからなくなっていったんです。

幅広い知識を体系化できる資格の勉強をするため、別の会社で派遣社員としてWebディレクターの仕事をしながら定時帰宅し勉強をするという生活を半年ほど続けました。

ただ、意外なことにこのWebディレクターの仕事で派遣社員ながら派遣の枠を飛び越えたよい経験を積ませていただき、「業務委託で仕事をしてみないか」というオファーも2社からもらえて。独立という考えは少し眠っていた状態でしたが、これを機に個人事業主登録して、フリーでやってみようかなと思ったんです。

フリーランスから法人にしたのはどのような理由があったんでしょうか。

その後、半年ほどフリーランスとして稼働していたのですが、気がつくと契約は業務委託で一社の仕事をずっとやっていて、まるで社員さんのような動きになってしまっていたんです。

ただ、いくつかのプロジェクトで外注をしたり、Webディレクターで知り合った仲間と交流したりする中で、あることに気がつきました。

制作会社は人が余っていても拘束時間分給料を払わないといけないですから、時にはその人に向いていない仕事を取ってきている会社もありました。法人のコーポレートサイトが得意なのに、キャンペーン用のLPを作っていたりと。本来その会社が得意じゃないことを、やらなければいけないのは会社としても個人としても辛いだろうなとと思ったんです。

一方で当時伸びていたクラウドソーシングサイトでは自分の強みの部分に特化してやっていらっしゃる方も多く、会社に依頼するのと比べると単価も安い。

僕自身が仕事を受注して、案件ごとに最適なメンバーでプロジェクトチームを組んで、向いている人だけをアサインして案件をとってくるようにすれば、固定費を抑えサステナブルな仕事ができると思いました。

一次請けとして案件を取ってくるのであればフリーランスよりは法人のほうが信頼性も高まると思い、法人成することにしたんです。

もちろん、一社の仕事をずっとやっている状態から抜けるキッカケ作りという意味合いもありますが……。

今でこそフリーランスチームというのは一般的ですが、当時は自分が知る限り、あまりやっている人はいなかったと思います。他にも、リモートワークでディレクションをする事業を立ち上げたりしましたが、どちらも今では一般的になってますね。

コロナでますます複雑になる2021年SEO事情

日経BP社 主催のプレゼン×マッチングイベント「N IDEA」登壇時の写真

SEOに注力し始めたのはいつ頃からですか。


創業後間もないころは、広告運用やLPの改善を受注していたのですが、そもそものトラフィックが来ないことにはLPの改善もアクセス解析もできないんです。

その中で予算をそんなに使わずにコツコツ積み上げていけるWebマーケティング施策と言えばSNSかSEOくらい。

それで、ユーザーの検索意図をしっかりと調べて記事を作ってという部分に取り組み始めました。しばらくすると、自分が狙った検索ワードで上位表示できるようになって。割と難関といわれるビッグワードでも、結果が出せたんです。「これは自分に向いているのかな」と思いました。

実際お客さんから「こういうキーワードで上位表示させたい」という依頼も来るようになり、どんどんSEO関連の仕事がメインになっていきました。

どのような依頼が多いのですか。

最近は「オウンドメディアの担当者育成」というニーズが中心になっています。

SEO施策を進める上で、広報や商品/サービスの担当、そしてエンジニアやデザイナーとも連携をしていかなければなりません。また、実際にサイトを収益に結びつけるためには、コンテンツによってユーザーのナーチャリングをしリードを獲得したあと、購入につなげなければ企業の業績は上がりません。

「とりあえず上位表示させておけばいい」ではなく、そのキーワードでどのようなユーザーがきて、どのような態度変異をしてくれるからコンバージョンに至り、どういう状態になればよいユーザー体験をしてもらえたのか、しっかりと考える必要があります。SEOという言葉をSXO(Search Experience Optimization:検索体験最適化)と表現されるようになってきている所以でもあると思います。

人材育成までしてもらえるんですね。

はい。最終的にはチームを自走させインハウス化させることが目標です。

技術的な面でも「クローラーがきたときに読みやすいようなコーディングになっているか(構造化マークアップなど)」、「表示速度が遅くないか(コアウェブバイタルなど)」といったことをチェックし、実際に改善指示書を作ったり、JavaScriptのサンプルタグを作ったりといったこともしています。

技術面では最初は直接エンジニアさんとのやり取りになることも多いですが、インハウスのSEO担当者には要望があればこのあたりもレクチャーさせていただいています。

最終的にはチームがインハウスで回るように、関係部署が円滑に連携し、PV/UUといったKPIだけでなく、売上に繋がる手助けをするのが仕事だと思っています。

コロナ禍で最近は難しくはなりましたが、社員向けの研修以外に、SEOアフィリエイトセミナーなどパートナー向けの講演を引き受けることもあります。

SEOは変化が激しい業界というイメージがあります。

そうですね。今はリンクビルディングやコンテンツの網羅性など単純な方法論でSEOで結果を出すことが難しくなりました。

「社内の商品やサービスをどのようにブランディングしていくのか」、「広告やSNSをメディアとどう連携させるか」などをトータル的に見ないといけないので、全体像を見極めながら優先順位を決めて取り組む必要があります。

コロナでも変化はありましたか。

コロナによって打撃を受けた企業を中心に、別業界のキーワードでサイトや記事を作るというトレンドがあります。

例えば旅行会社のドメインでウォーターサーバー販売ページを設け上位表示させたり、自動車整備会社のドメインでマッチングアプリや結婚相談所のおすすめ記事を作り、上位表示させたりなど。

競争が激化しているんですね。どのように戦っていくべきなのでしょうか。

結局のところ、SEOだけに拘らず、ブランディング・PR・広告・SNS運用など総合的に、マーケティングや情報発信をしていく必要があると思います。

情報を探索するサービスは検索以外にも、即時性のある情報ならツイッター、写真で見るならインスタグラム、動画で解決したければYoutube、悩みの深度が深かったり信頼性のある情報がほしければWEBサイトなど、ユーザーは使い分けています。トータルのWEBマーケティングをすることで企業の信頼性向上やブランディングができ、SEOにも効いてくると思います。

「そもそもどのマーケティング施策がいいのか」といった相談からお受けすることもありますね。

2021年の最新SEO情報については私のツイッターでも日々ツイートしています。最近は情報シェアやリツイートも多めではありますが、チェックいただければトレンドが追えるようにはなりますので、ぜひフォローしてみてください。

浅井裕喜ツイッターアカウント


仕事をするうえで心がけていることは?

「結果につながる仕事をする」ことです。

以前「SEOを改善したい」とご依頼をいただいた案件では、詳しい話をお聞きしてみると、それ以前に既存顧客とのコミュニケーションが取れていないことがわかりました。SEOで新規を獲得しようとするよりは、既存顧客とのエンゲージメントを高めるためにオンラインでの交流会を実施したりチャットツールなどで連絡が取れるようにしたりする仕組みを整えることのほうが効果が高いと思われる状態でしたので、正直にそれをお伝えしましたね。それをすると僕は仕事が減ってしまうんですけど(笑)。

自分の収入よりもクライアントのメリットですか!?

サラリーマン時代は、お客さまのためにならない案件だとしても、売り上げ目標があるため無理やり受注することもありました。けれども、満足していただける仕事をするためには、クライアントの悩みから課題を発見して、解決する方法を考えることが重要です。そのうえで僕がお手伝いできる部分があればお手伝いするというのが理想ですよね。そのほうが巡り巡って自分にもよい影響が返ってくると思いますよ。

日本だけでなく海外のWEBマーケティングにも取り組みたい

フリーランスになってよかったと思いますか?

会社員時代は理不尽な人事異動で不本意な仕事をしなければならないこともあったと思います。これは多かれ少なかれ経験されている人もおられるのではないでしょうか。

もちろん、フリーランスだからやりたい仕事だけをやれるという状態な人は一握りだと思いますが、それでもこっちのスキルを伸ばしたいと思えばそっちの仕事をとってこればいいし、極論やりたくない仕事は請けないのも本人の自由です。自分が熱意を持って取り組め、可能性を感じるのであれば成果報酬という形でお引き受けもしています。会社員だと自分の判断だけで動くということはなかなかできないと思います。

リスクはありますが、選べるというのは大きなメリットですね。

最近は働き方の多様性が進んでいますのでだいぶ事情が変わってきたところもあります。ただ、自分が想うようにキャリアを作っていくには、フリーランスのほうがいいかなと思います。フリーランスから会社員、会社員からフリーランスというのも割と自由に行き来しやすくなってきていますしね。

コロナは影響ありましたか

そうですね。特に自社メディアは打撃を受けました。アフィリエイトで売り上げがある程度安定してきていたのですが、緊急事態宣言でイベントだったりパーティー関連案件の売り上げが消失。

アフィリエイトに広告を出している事業者さんそのものが撤退してしまったり、撤退まではしなくてもアフィリエイト広告を停止してしまうこともあります。

強化する商材をオンラインサービスや在宅などコロナの影響を受けにくいものに変えてみたり、工夫が必要な状況です。

ただ、先にもお話したようなコロナによって打撃を受けた企業が参入してきたりもしていますので、国内のSEOだけを考えたマーケティングではなかなか結果を出すことが厳しくなってきていますね。

コロナ禍でも営業するのに大切なことは?

今はコロナで外にも出づらく、クライアントに「会ってください」とも言いづらいので、自分で情報発信していくことが重要だと思っています。ブログ、SNSなど文面で発信して、エンゲージメントを高める。名刺代わりになるようなSNSをひとつ作っておくといいかなと思います。

今後やりたいことを教えてください。

コロナ前に比べると、なかなか企業と密にSEOやオウンドメディアのグロース支援をすることが難しくなっています。部署間を横断するような本質的な部分が改善できるような支援をコロナ禍でもしていければと思っています。

また、自社メディアを運用していてよく思うのですが、メディアとのコミュニケーションがうまくない成果報酬型代理店や事業会社もまだまだ多いように思います。そのためか、アフィリエイトの悪いニュースもたびたび取り上げられています。僕は、事業会社のプロモーション担当、代理店、メディアとそれぞれの立場で携わってきた経験や事業会社のアフィリエイト担当と二人三脚で戦略や運用をサポートしてきた経験もありますので、今後は事業会社のアフィリエイト運用の相談役的な仕事も増やしていければと考えています。

あとは、週4日や5日でフルコミットできるフリーランスのWebディレクターやWebマーケターがいないか聴かれることもしばしばあり、エージェント事業もしています。

プロジェクトが終了してしまって次の参画先を探しているような数年でも経験のあるフリーランスのWebディレクターやマーケターはぜひ相談してもらえたら嬉しいです。

さらに、これは中長期的な話なのですが、海外向けのWEBマーケティングにも乗り出したいですね。日本は同じような収入源にみんなが集まってくる。そうなると質よりも単価で勝負せざるを得なくなります。日本は物価も上がりませんし先進国の中で給料も安い国になってしまっています。

日本語圏よりも英語圏のほうがマーケットも広いですし、狭い中で戦うだけではなく、海外に活路を見出していって、そこでも収益を上げたい。

きちんと収益をあげていければ、日本のフリーランスの方にも、採算が取れるような仕事を振ることもできるようになるんじゃないかと。

英語で取引できるんでしょうか!?

過去にWeb制作をオフショアで外注していたときに英語で取引はしていました。また弊社が利用するツールやサービスは日本語にローカライズされていないものもこれまで利用しており、英語でやり取りする場面もありました。

とは言え、英語で打ち合わせを行い案件を受託するとなるとハードルは高いのも事実です。ただ、メディア運用などの事業でしたら、そこまでハードルが高いとは考えていません。また、今もSEOなどの情報は海外のSEO会社の記事や海外のカンファレンスに登壇されているような著名なマーケターのツイートもウォッチしていますよ。

ちゃんとマーケットがあるのか、トラフィックが稼げるのか。そのあたりもトライ&エラーしながら経験を積んでいきたいですね。

日本人は英語アレルギーのある方も多いですし、やはり参入障壁を多くの感じるところに進まないと、なかなかフリーランスや中小企業は生き残りが難しいですからね。

では最後に読者にメッセージを!

副業仲介も広がり、フリーランス向け整備も進んでいるので、フリーランスや副業はすごくやりやすくなっていると思います。コロナ禍でチャレンジしやすい環境の方はこの波にのってぜひチャレンジしてみてはと思います。

とはいえ、「フリーランス」というのが加熱しすぎなのかなとも思っています。ひとつの組織の中で腰を据えてやっていきたいという方は、今は逆に重宝される会社もありますので正社員に戻るのもチャンスかなと思います。

このコロナ禍の間に、ぜひ自分に合った働き方を探ってみてください!