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写真家ほかマルチフリーランス牧野珠美さん直撃インタビュー

2021.09.14

フォトグラファー、アンティークショップ運営兼バイヤー、ライター、ブロガーとしてマルチに活動している牧野珠美さん。

3年前までフリーランスという働き方があることすら知らなかったという牧野さんですが、少しずつステップを経てフリーランスとして活動することに至ったのだとか。

「7つの事業を収入源として持つ」ことが目標だという牧野さんに、フリーランスとしての働き方へと転換した経緯や、手掛けているそれぞれのお仕事の魅力について、語っていただきました!

ポートフォリオ(写真)

ポートフォリオ(Kindle出版)
ネットショップ(アンティークとオリジナル作品)

「フリーランス」という働き方を知ったきっかけ

いつからフリーランスとして働いているんでしょうか。

2019年からです。実はフリーランスという働き方があること自体を2017年まで知らず(笑)、いたって普通に会社員をしていました。海外に興味があったので新卒で旅行会社に就職して、勤めていた旅行会社が倒産したことをきっかけに、その後は外資系のIT企業を中心に事務職を経て広報部やマーケティング部でweb制作やデザインを担当する仕事を主にしていました。

フリーランスという働き方を知ったきっかけは?

私自身はスキルアップを目指して会社員時代に転職を繰り返してきましたが、会社が倒産したり部署が消滅したり、労働時間が多すぎて体を壊しそうになったりと、なんとなくうまく進まない状況があるように感じていました。

そんなときにコーチングを受けて、紹介された本がきっかけです。

「マーケット感覚を身につけよう」という本を読んでフリーランスという働き方があることを知りました。「会社員以外に働く道があるんだ!」と、目の前が明るくなった感覚を今でもはっきりと覚えています。今思うと世間知らずで(笑)、人生にある選択肢をあまり知らないかったし知ろうとしていなかったんだと思います。

そこからどうやってフリーランスとして働くに至ったのでしょうか。

大きなきっかけは、大手企業のエンジニアからフォトグラファーとして転換した知人の活動をみていて「この働き方ってもしかしてフリーランスなのかな」と思い、直接本人から話を聞いたことからです。

何をどう始めたらいいのかわからなかったときに知人が利用したのが、まだサービスが始まったばかりのクラウドソーシングプラットフォームでした。

クラウドソーシング自体は私自身も知っていて、副業的に利用したことがありました。コンペ式のweb用素材やパンフレット制作をやっていましたが、労力の割にお金にならないと感じ、結局やめてしまっていました。

知人からクラウドソーシングを活用した話を聞いて可能性を改めて感じたので、今度はフォトグラファーとして仕事の受注をやってみようと思い始めました。そうしたら、デザインのときと比べてスムーズに受注できることが続き、これがフリーランスとして働くための第一歩となりました。

一気に独立まで進んだのですか。

いきなり独立したのではなく、まずは正社員をやめて契約社員で週三回という働き方を選びながら、徐々に日数を減らしていきました。2017年には以前から興味のあった写真のワークショップに参加して、小原孝博先生から写真の表現を学びました。同じ年に、小原先生の主催する写真展を東京のギャラリーで開催しました。

写真展で展示した写真をフォトコンテストに応募したら入賞したことで、自信にもつながりました。

働き方を変えようと思った理由は?

会社員として働いていたときは、所属していた部署の環境や立ち位置から、多岐にわたる業務を担当することが多く、業務量が増えていきました。外資系企業だったため時差の関係で早朝からミーティング、業務的なことは深夜1〜2時まで仕事ということも少なくありませんでした。

また私は何度か転職を経験しているのですが、会社員時代には会社が倒産・吸収合併したり、リーマンショックでは担当する業務自体が消滅するということなどを経験しました。(これらすべてを1人で体験することはあまりないと思います。笑。)

そんな経験から会社員として働くことが絶対安心というわけではないということを体感し、また疲弊する中で漠然と「このままでいいのだろうか」という想いが心のどこかにありました。

「フリーランスという働き方なら今まで身に着けてきたスキルすべてを自分のために活かせる」「好きなことや得意なことが誰かのために活かせるならそれが最高ではないか」と、働き方を変えてみることを意識し始めました。

「7つの収入源を持つこと」が目標

ライターとカメラマンは、両方のスキルを持っていると強みになりそうではありますが、「アンティークショップ運営」というのは方向性が違いますね?

10年くらい前からアンティークには興味があったんです。自宅を建てたときに家具を探していて、そのときに「アンティーク」という存在を知りました。

東京にあるアンティークショップをまわったり、オークションで現地の方から購入したりしているうちに、「自分で仕入れたらどれくらいの値段なんだろう」と買い付けに興味が湧いてきました。
元々海外旅行が好きで旅行会社で働いていたときは国際線の手配や地上手配を担当していたので、蚤の市の情報を探して、海外旅行先では蚤の市をまわるようになりました。

最初は自分の分を買う目的で蚤の市を調べて行っていました。ところが掘り出しものを見つけることや交渉すること自体が楽しくなってしまって。たくさん仕入れたくても自宅に置くには場所がないので(笑)、それなら同じアンティークが好きな方へ向けて販売してみようと思いました。

販売方法はどうやって見つけたのでしょうか。

フォトグラファー仲間に起業している友人がいて、彼女からネットショップを気軽に簡単にできることを教えてもらいました。

すぐ行動できてしまうんですね。

「思い立ったらすぐやる」のは昔からですね。旅行に行くときも、魅力的な場所をインターネットで見つけると「ここにいきたい」って思うよりも先に「ここどうやって行くんだろう」って行き方を調べています。

やるかやらないかではなく、どうやってやるかを考える。すべてに対してそういう傾向があると思います。

いきなり多角経営というのはなぜなんですか。

まだ道半ばで経営という大それたところまではいってないですが(笑)、7つの収入源をつくるという考え方はアメリカでも大ベストセラーになった本「金持ち父さん 貧乏父さん」から得たものです。この考え方を実際に実行して会社員から複業をする個人事業主、そして法人化した知人がいるので、彼の行動結果を私自身の目標にもしています。

実際コロナであるひとつの収入が落ちたときに別のものが上がる、という経験をして、収入源を複数持つことの重要さを実感しました。

フリーランスって難しそうですが、思ったより簡単にできたことはありましたか。

「簡単」「難しい」という意識をあまりしたことがないかもしれないです。何かを始める前には「難しそうに見えるかもしれないけど、やればできる」というふうに感じます。

今はクラウドソーシングなどのプラットフォームがいくつもあるので、会社員をしながら試しにやってみる環境が整ってきているようにも思います。

アンティーク ショップ運営について少し教えてください。フランス語で買い付けするのですか?

片言でも基本の会話ができれば買い付けはできます(笑)。ただ細かい話ができたほうがいいので、フランス語は継続して勉強しています。

アンティークって個人によって価値がばらばらだそうですね。その中で、牧野さんにとって「価値があるアンティーク」とはどういうものですか。

正確には、フランスでは100年以上前の品を「アンティーク」といい、100年以下のものは「ブロカント」と呼ばれています。私が取り扱っているものは「ブロカント」です。

重厚で高価なアンティークよりも、手軽に日常使いができる少し安価でデザインも可愛いブロカントのほうが(モノによりますが)日常使いもできるので、私は価値を感じています。

付け加えると、フランスでは「1つのものをずっと使い続ける」という文化があり、そんな文化を日本でも引き継いで、喜んで使っていただける方たちに届けられたらいいなと思っています。もちろん私自身もその想いを大切にしていきたいです。

フランスではアンティークというものがもっと根付いているのでしょうか。

はい、毎日歯磨きをするのと同じように(笑)、蚤の市は生活に根付いているものです。

蚤の市はどの地域でも週末には開催されていて、場所によっては週に二、三回開催されているところもあります。地方によって出てくるモノが異なることも面白く、買い付けをする際の醍醐味のひとつだと思います!

全部で155少しある「フランスでもっとも美しい村」訪問をコンプリートして写真集を出版したい

フリーランスになってよかったことと悪かったことは?

フリーランスは時間の使い方が自分流でできるのと、長時間働いたとしても苦にならない点がよいところでもあり悪いところでもあると思っています。

いくらでも時間を自分のために使える、反面それが悪いところでもあって、何かきっかけがないといくらでも時間を使ってひとつのことに集中できてしまう。

私はジムのレッスンが大好きで何年も通っているんですけど、それがなければ引きこもってしまって健康管理ができないんじゃないかと思っています。※個人差があると思います。

フリーランスをやめようとおもったことはありますか

収入面では会社員だったころよりも不安定なので、ときどき「会社員に戻ったほうがいいのだろうか」と頭をよぎることはあります。安定した会社で働くこと=幸せだと言われて育ってきた世代でもあるので、会社員を辞めるときは本当に勇気が要りました。それでも今の選択に後悔はしていません。

やりがいはどんなところですか

複数の仕事をやることで飽きずにできることや、仕事内容によっては場所を選ばずに働ける点だと思います。

例えば今後海外へ行けるようになったら三か月くらいフランスに滞在して買い付けに集中したり、離れて住む両親のことが心配になったときはしばらく実家にいて仕事をしたりできる点はいい点だと思います。こういったことができるようになったらいいなと、目標にしてがんばっているところです。

これからフリーランスを目指す人に伝えたいことは?

その人それぞれに与えられた環境や経験があるので私が伝えたいなんておこがましいですが、私の経験から言えることがあるとすれば、会社員でしか学べないスキルは絶対にあります。

ブラック企業なら話は別ですが(笑)、まずは会社を辞めるのではなくて今ある場所でスキルを磨きながら自分のやりたいことを模索していくという方法がベストなのではないかと思います。会社員のメリットは毎月決まった額が入ってくることで、これはやはり有難いものです。

また、私自身はセレンディピティを信じていて、今ある環境は今の自分に必要なことが与えられている場所だと思っています。例えば部署が変わってそれが自分のやりたくないことだったとしても、そこで得られるものはなにかしらあり、私自身はそうやってたくさんの方たちから学ぶ機会を得たり、技術を得たりしてきました。

会社で身に着けたことはフリーランスとして働くときにも絶対に役に立つので、一般的なことになってしまいますが、「今ある仕事を精いっぱいやる」っていうのがすごく大事だなって思います。今まで出会ってきた方々や与えられた機会には本当に感謝しています。

あともうひとつは、フリーランスとして好きなことを仕事にするということは、言葉でいうのは簡単ですが、軌道にのせることは簡単ではなくコツコツ積み上げていくものだと感じます。

私自身もまだまだ発展途上の段階でこれからですが、未来を信じて応援してくれている夫の期待にこたえるためにも突き進むしかないと思っています(笑)。

読者にアピールしたいことはありますか

フランスの田舎にはある一定の条件を満たすことで「フランスでもっとも美しい村」と認定された村々が約155あります。この美しい村をすべてコンプリートすることを目標に蚤の市巡りと合わせて渡仏しているのですが、フランスには素朴だけれど美しい村や自然があることをもっと伝えたいです。

まるで絵本の中にあるかのような世界や風景は、心を豊かに穏やかにしてくれます。世界にはこんな素敵な場所があるんだとワクワクした気持ちを持たせてくれます。こういう場所を訪れてみたい!と興味を持ってもらえたらいいなあと思っています。

将来的には個展開催をひとつの目標にしていて、これまで訪れた村はカレンダーやポストカードとして販売をしています。Kindle出版で写真集の販売も予定していますので、もしよかったらネットショップもチェックしてみてください!笑

また写真集を出したい方へ向けて、Kindleで写真集を出版するコンサルティングも始める予定で、準備を進めているところです。

ありがとうございます。最後に読者にメッセージを!

「フリーランス」という働き方は選択肢のひとつです。

「どんな働き方が自分に合っているんだろう」と思ったら、まずはやってみたいと思ったことをやってみたらいいのではないかと思います。たとえそれがダメだったとしても必ず次の選択肢は出てきます。

私自身は何度もトライ&エラーを繰り返して今にいたりますが、やって後悔したことは一度もありません。

フリーランスとしてお仕事を始める際、プロフィール写真の撮影や名刺作成などが必要になりましたら、ぜひお気軽にお声がけしてみてください。第一歩のお手伝いをさせていただきます!