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フリーランスが知っておきたい所得税の計算方法と納税方法

2021.03.28

収入を得た場合には、その金額に応じた所得税を国に納めなくてはなりません。

会社員であれば、所得税などの納税作業は会社が行ってくれますが、フリーランスは自分で確定申告をして納付する必要があります。

そこでこの記事では、所得税の計算方法と納税方法についてご紹介いたします。

また、確定申告をスムーズに行うために準備しておきたいこともまとめていますので、是非ご覧ください。

【確定申告】フリーランスが知っておきたい所得税の計算方法と納税方法

収入を得た場合には、その金額に応じた所得税を国に納めなくてはなりません。

会社員であれば、所得税などの納税作業は会社が行ってくれますが、フリーランスは自分で確定申告をして納付する必要があります。

そこでこの記事では、所得税の計算方法と納税方法についてご紹介いたします。

また、確定申告をスムーズに行うために準備しておきたいこともまとめていますので、是非ご覧ください。

フリーランスとは

フリーランスとは、特定の企業や団体には所属せず、個人で仕事を請け負う「働き方」のことです。

フリーランスは、依頼された仕事ごとに契約を結ぶ形態のため、
  1. WEBデザイナー
  2. イラストレーター
  3. ライター
  4. カメラマン
  5. プログラマ
など、自分の知識やスキルを提供する職種が多いです。

一方、フリーランスの類義語である個人事業主は「税務上の区分」のことで、個人で事業を行う者として税務署に開業届を提出している人のことを指します。

そのため、法人か個人かを問われた場合は「個人事業主」と答え、働き方を聞かれた場合は「フリーランス」と答えることになるでしょう。

フリーランスが所得税を納めるには

フリーランスが納めるべき税金は「所得税」「住民税」「個人事業税」「消費税」の4種類です。

所得税とは、1年間に得た個人の所得(儲け)に対して課される税金のことです。所得の合計が38万円(2020年分以降は48万円)を超える場合、確定申告をして納税する義務が発生します。

会社員の場合、勤務先の会社が納税作業を行ってくれるため確定申告は必要ありませんが、フリーランスは自分で所得を計算し、納付しなくてはなりません。

確定申告の期間

確定申告は、1月1日~12月31日までの1年間に得た所得を計算し、翌年2月15日~3月15日までの期間に提出・納税しなくてはなりません。

これを怠ると、追徴課税や税金の滞納が発生してしまうため、必ず期限内に確定申告を行いましょう。

確定申告のやり方

確定申告書の作成方法は、
  1. 手書き
  2. 確定申告書作成コーナー
の2通りです。

手書きで作成する場合
確定申告書を手書きで作成する場合、国税庁「確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書等」からダウンロードできます。

申告書A……会社員(給与所得者)が使用
申告書B……フリーランスや個人事業主(収入の種類を問わない)使用

また、最寄りの税務署から確定申告書を入手することも可能です。

手書きで作成した場合は「最寄りの税務署へ直接」提出もしくは「税務署へ郵送」にて提出します。

確定申告書作成コーナー
国税庁『確定申告書等作成コーナー』は、画面の指示に従って売り上げなどの必要事項を入力していくだけで、確定申告書を作成することができます。

所得税の計算も自動で行われるため、手間が掛かりません。

また、作成した申告書は「e-Tax(電子申告)」での提出もしくは「印刷して郵送など」にて提出することができます。

e-Taxは、オンライン上で手続きを完了させることができますが、マイナンバーカードが必要です。

“収入”と“所得”の違い

収入と所得を混同してしまう人も多いですが、この2つには明確な違いがあります。

どのような違いがあるかというと、
収入……給与や売上金額
所得……「収入」から「必要経費」を差し引いて残った金額
です。

例えば、年間の売上金額が500万円、素材代や交通費などの必要経費が200万円だった場合、
収入⇒500万円
所得⇒300万円
となります。

所得税は、所得(儲け)が多くなるにつれて税率が高くなる「累進課税」のため、必要経費を漏らさず計上し、所得額を抑えることが節税に繋がります。

なお、フリーランスは、あらかじめ源泉徴収税が差し引かれた金額を報酬として受け取るケースもあります。

この場合、取引先によって納税作業が行われているため「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」を添付の上、確定申告を行うと過払い分が還付されます。

所得税の仕組みと計算方法

では、実際に所得税の仕組みやその計算方法を見てみましょう。ややこしく感じるかと思いますが、実際の確定申告では、記入方法がわからない場合は税務署で親切にアドバイスがもらえますし、申告自体を税理士に任せる人も多いので、「計算ができないと個人事業主としてやっていけない」というわけではありません。しかし、人に任せる場合であっても、おおまかな税率くらいは自分で事前に把握しておきたいところです。

所得税の分類

所得税は、所得の内容によって10種類に分類されます。

「どういった所得を得たか」によって所得額の計算法が変わるため、まずは自分の得た収入の所得を正しく把握することが重要です。
所得分類 所得の内容 所得額の計算法
利子所得 公社債や預貯金の利子など 利子所得=収入金額
配当所得 株式や投資信託の配当など 配当所得=収入金額-負債利子
不動産所得 家賃や地代など 不動産所得=収入金額-必要経費
事業所得 事業から生じる所得 事業所得=収入金額-必要経費
給与所得 給料や賞与など 給与所得=収入金額-給与所得控除額
退職所得 退職によって受ける所得 退職所得=(収入金額-退職所得控除額)× 1/2
山林所得 山林譲渡して得た所得 山林所得=収入金額-必要経費-特別控除額(最大50万円)
譲渡所得 土地や建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することで得た所得 資産内容や所有期間により異なる
一時所得 満期保険金など、継続的に生じない所得 一時所得=収入金額-必要経費-特別控除額(最大50万円)
雑所得 公的年金や講演料など、上記9種類に該当しない所得 次の1と2の合計 1.公的年金等の収入金額-公的年金等控除額
2.それ以外の収入金額-必要経費
参考:国税庁『所得税区分のあらまし

フリーランスに関係する所得は「事業所得」もしくは「雑所得」ですが、この2つに明確な基準はありません。

大まかに言うと、事業として営んだ結果、得られた所得は「事業所得」となり、それ以外の場合は「雑所得」となります。

所得税の計算方法と手順

所得税の計算は、
  1. 所得金額の計算
  2. 課税所得額の算出
  3. 基準所得額の計算
  4. 復興特別税額の計算
の流れで行います。
1.所得額の計算
先述の「所得額の計算法」を用いて、1年間の所得額を計算します。
2.課税所得額の算出
所得税は「課税所得」に対して課税されるため、課税所得額を算出しましょう。

【計算式】
課税所得額=所得額-所得控除額

所得控除は「基礎控除」や「配偶者控除」「医療費控除」など全14種類あり、もれなく計上することで、税の負担が軽減されます。
3.基準所得税額の計算
基準所得税額は、下記の速算表を用いて計算します。
課税所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え330万円以下10%97,500円
330万円を超え695万円以下20%427,500円
695万円を超え900万円以下23%636,000円
900万円を超え1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超え45%4,796,000円

【計算式】
基準所得税額=課税所得金額×税率-控除額

なお、
  1. 寄付金特別控除
  2. 配当控除
  3. 外国税額控除
  4. 住宅借入金等特別控除
に該当する場合、基準所得税から直接控除額を差し引くため、大幅に税負担を軽減することができます。
4.復興特別所得税額の計算
2013年~2037年の間に得た所得に対して、所得税が課される場合「復興特別税」も課税されます。

【計算式】
復興特別税=基準所得税額×2.1%

例えば、基準所得税額が100万円だった場合「1,000,000×0.021=21,000円」となるため、納税金額は1,021,000円となります。

所得税の支払い方法

所得税の支払い方法は、

  1. 口座振替
  2. e-Tax
  3. クレジットカード
  4. コンビニ
  5. 税務署・金融機関の窓口
の5つです。

口座振替

自分名義の預貯金口座から引き落としで納付する方法です。

初回のみ税務署にて「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を提出すると、翌年以降自動で引き落とされます。

手数料は掛かりませんが、一部利用できない金融機関もあるため、利用を希望する場合は事前に金融機関へ確認しましょう。

なお、引き落としできなかった場合、法定納期限の翌日から延滞税が発生するため、残高不足にならないよう注意が必要です。

e-Tax

e-Taxを利用すると「ダイレクト納付」と「インターネットバンキング」にて納付することができます。

【ダイレクト納付】
e-Taxで確定申告の手続きを行った後、口座振替で所得税を納付する支払い方法です。

事前に税務署への「ダイレクト納付利用届出書」を提出する必要があります。

また、手続きには1ヶ月程掛かるため、ダイレクト納付を希望する場合は早めに準備しておく必要があります。

【インターネットバンキング】
e-Taxで確定申告の手続きを行った後、インターネットバンキングやATMなどで所得税を納付する方法です。

一部利用できない金融機関もあるため、利用可能な金融機関を確認してから手続きを行いましょう。

クレジットカード

専用サイトでクレジットカード払いの手続きを行い、納付する方法です。

自宅での支払い手続きや分割払いも可能ですが、手数料が発生します。また、クレジットカード払いの場合、毎回手続きを行う必要があります。

コンビニ

税務署から交付・送付された「バーコード」または、国税庁のサイトから入手した「QRコード」を使用し、コンビニの窓口で現金納付する方法です。

手数料は掛かりませんが、納付金額の制限(30万円以内)が設けられています。

税務署・金融機関の窓口

所轄の税務署または、国税の徴収を代行している民間金融機関(日本銀行歳入代理店)へ行き、現金納付する方法です。

手数料は掛かりませんが、営業時間内に納付する必要があります。

参考:国税庁『国税の納付手続

所得税の納付に備えよう

所得税の仕組みとその支払いのために確定申告が必要だということまではわかっていただけたかと思います。毎年の確定申告をスムーズに行うためには、日ごろからの準備が大切。準備と言っても簡単で、大まかにいうと以下の4つです。

  1. 日々の取引を帳簿に付けておく
  2. 請求書をまとめておく
  3. 経費の領収書またはレシートをまとめておく
  4. 受注した企業から源泉徴収票を集める

ではそれぞれについて詳しく説明していきましょう。

日々の取引を帳簿に付けておく

帳簿は「売上」「仕入れ」「交通費」「借入れ」など、お金の流れを記録したもので、これを基に確定申告書を作成します。

数週間分の記録をまとめて記載するのは大変ですし、抜け漏れが発生しやすくなるめ、できれば毎日、最低でも週1日ペースで取引を記録しましょう。

請求書をまとめておく

請求書とは、契約締結後に依頼主から仕事の対価を請求するための書類です。

フリーランスや個人事業主は、帳簿などから確定申告書を作成するため「どこの企業からいくら受注したか」をしっかりと把握しておく必要があります。

確定申告書の基となった帳簿や受領した請求書、領収書といった書類の提出は不要ですが、自宅や事業所で保存することが義務付けられています。

【帳簿・書類の保存期間】

保存が必要なもの 保存期間
帳簿 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) 7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) 5年
書類 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 5年
業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類 5年
引用:国税庁『個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について

経費の領収書またはレシートをまとめておく

パソコンやソフトウェア、事務用品など、必要経費が発生した場合は、支払いを行った証拠となる書類をまとめておきましょう。

日付や金額、支払先、明細がわかれば問題ないため、領収書とレシートどちらでも構いません。

領収書やレシートは、月別・費目別などに分けて封筒やファイルにまとめておくと、確認しやすくなります。

特定の日にちだけ多い場合は、バラバラにならないようホチキスで留めておきましょう。

受注した企業から源泉徴収票を集める

源泉徴収とは、報酬を支払う側が報酬を受け取る個人や企業に代わり、納税を行う制度のことです。

源泉徴収票は「既に所得税を支払った」ことを証明する重要な書類のため、企業から届いたら、紛失しないよう保管しておきましょう。

ただし、業務委託契約の場合、源泉徴収票を発行する義務はないため、源泉徴収されていても、送られてこない可能性があります。

1月末になっても届かない場合は、仕事を依頼してきた企業に源泉徴収票の発行をお願いしてみましょう。

源泉徴収の対象となる報酬
源泉徴収の対象となる報酬は法律で定められているため、下記に該当する仕事を請け負った場合、源泉徴収されます。

  1. 原稿料や講演料、デザイン料など
  2. 弁護士、司法書士、税理士など特定の資格を持つ人に支払う報酬
  3. 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
  4. スポーツ選手やモデル、外交員などに支払う報酬
  5. 芸能人や芸能プロダクションを営む個人へ支払う報酬
  6. 契約金など役務の提供を約束することにより支払う金銭
  7. 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金
  8. 宴会などで接待を行うコンパニオンへ支払う報酬

参考:国税庁『第6章 報酬、料金等に係る源泉徴収
上記8種以外でも一般企業と取引する場合、源泉徴収されることが多いため、受注した仕事の報酬が「源泉徴収されているかどうか」しっかりと把握しておきましょう。

源泉徴収が発行されない取引について
源泉徴収を行う義務があるのは、原則「法人(発注者)⇒個人(受注者)」です。

従業員を雇っていない個人事業主から仕事を依頼された場合「源泉徴収の対象となる報酬」に該当しても、発注者に源泉徴収を行う義務はありません。

つまり、クラウドソーシングサイトなどでの個人間の取引は、源泉徴収されないことが多いため、注意が必要です。

源泉徴収されていない報酬については、確定申告のときに売り上げとして申告し、あとで自分で所得税を支払うことになります。手取り額を全額使ってしまわないよう、気を付けてください。源泉徴収の税率を記載しておきます。

【源泉徴収税額の計算式】

  1. 報酬額100万円以下……「源泉徴収税額=報酬額×10.21%」
  2. 報酬額100万円超……「源泉徴収税額=(報酬額-100万円)×20.42%」



確定申告は日頃の備えが重要

所得税は、1年間に得た所得に応じて納める税金です。

受け取った報酬が「源泉徴収されているかどうか」を把握しておけば、二重で所得税を納めることもありませんし、払いすぎている分があれば還付金として戻ってきます。

スムーズに確定申告を行えるよう、帳簿付けや領収書などの書類の整理をこまめに行いましょう。